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2025/02/04

院長の気まぐれ投稿 vol.3「白内障と核硬化症」

ワンちゃんが高齢になると起こってくる変化の一つに「目が白くなる」という症状があります。皆さんも高齢のワンちゃんを飼われた経験があれば、ご存じかと思います。ワンちゃんはアイコンタクトをとる動物ですから、飼い主様も目の症状は感じ取りやすいのだと思います。

当院でも診察中に時々相談を受けますが、皆さんの多くはそれを「白内障」と思っているようです。しかし、私の経験上、相談されるケースの中では白内障よりも「核硬化症」という状態であることの方が多いと感じています。今日はその二つの違いを簡潔にお伝えさせていただきます。


白内障は眼の中の水晶体と呼ばれるレンズ部分が白くなる状態を言います。水晶体に含まれるタンパク質が構造変化することで白くなりますが、水晶体の白くなった部分が広くなってくると網膜に光が通りにくくなるので視覚に影響が出てきます。

また原因は様々あり、時には糖尿病のような内臓の病気が原因であることもありますので、少し注意が必要な症状です。



一方、核硬化症は白内障と同様に水晶体の変化により起こりますが、水晶体が加齢とともに硬くなることで青白く見えるようになってきます。しかし、光は網膜に透過しますので視覚が失われることはありません。ここが大きく違います。視覚に大きく影響はありませんし、加齢性の変化ですから、治療対象とはなりません。どちらも「目が白く」見えますから飼い主様は区別をつけられないと思います。我々獣医師も、検査をしないと分からないケースが多いです。


実際には、散瞳剤を点眼してから水晶体全体をスリット光と呼ばれる細い光を目に当てて検査をします。白内障であれば光の透過に問題がありますが、核硬化症であれば光の透過に問題はありません。検査にはそんなに時間もかかりませんし、痛みを伴う検査ではありませんから、「うちの子、目が白いけど白内障なのかな?」と感じるようであれば一度ご相談ください。

(このワンちゃんの目は白内障・核硬化症ではありません)